柄意味言葉集15
72.真帆文(まほもん)
帆船を描いた文様で帆だけのものが多いようです。数少ない風を表現した図柄で縁起物としては、大きな力を持つ柄といえるでしょう。
73.澪標文(みおつくしもん)
澪標は水路を知らしめるための標杭をいいます。語呂合わせで「身を尽くし」の意味となり、武士の間で好まれたようです。また、「源氏物語」にもこの名の巻きがあります。源氏二十八歳の十月から二十九歳の冬に至る巻です。現在の大阪市の市章にもなっています。
74.水文(みずもん)
水は、人間生命維持の最大の支柱であるがため、古きより聖なるものとして多くの図柄を生み出しました。信仰的にも生霊・死霊を呼び出すとき、水を使います。流水・波・渦など数多くあります。また、合わせ文様として花筏と流水・菊と水・紅葉と水・鳥と流水などがありますが、文様中最もパワーのある柄の一つです。
75.茗荷文(みょうがもん)
茗荷文は紋章に多く使われています。茗荷は「冥加」に通じ、祝福する縁起物として喜ばれます。冥加とは知らず知らずのうちに目に見えない神仏の力によって加護を受けることをいいます。
76.星文(ほしもん)
星の文様は大変古いですが、五角の星形を用いたのは江戸末期からで、以前は小さな円形で表わしました。平安時代の絵巻物に多く見ることができます。星辰(星座)を崇拝する妙見信仰(日蓮宗)では人の福寿を増すとされています。

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