柄意味言葉集13
59.牡丹唐獅子文(ぼたんからじしもん)
牡丹と唐獅子の図柄は多く平安時代から残っています。特に鎌倉・室町時代には甲冑に多く使用しました。獅子は仏・菩薩の三昧耶形(誓願を象徴するもの)で、牡丹を愛しこれを食したという伝説から由来します。その為、牡丹と獅子を組合せることにより護守としました。
60.法螺貝文(ほらがいもん)
山伏や軍陣での合図に用いました。貝のもつ気を吐く力・神を呼び寄せる力などの信仰により、縁起物・護守の意で用いました。
61.鉞文(まさかりもん)
中国では、出陣に際し天子が将兵授け、命を下す印としました。その為、尚武の意を含む図柄となりました。斧の小さなものを斧(よき)といいます。語呂合わせで「よき」を「善き」に変え、菊と琴を組み合わせ「よきことを聞く」(斧琴菊文)といい、喜ばれました。
62.枡文(ますもん)
団十郎の紋
三枡(枡を三つ入子にする)が有名です。枡は「増す」に通じ、縁起物として節分の豆撒きなどにも使われます。
63.葡萄文(ぶどうもん)
歴史が古く、ヨーロッパから中国・日本へと伝来しました。葡萄は生命を保護する意味がありました。また、多子祈願にも使われました。日本では、奈良時代以降、葡萄唐草文として多く使われるようになりました。
64.脹雀文(ふくらすずめ)
肥えてふっくらした雀のこの文様化。脹を「福良」の字あわせにより縁起物としました。

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