柄意味言葉集11
52.丁字文(ちょうじもん)
・瑞祥として七宝の中の一つや宝尽文などに必ず用います。
・丁字は薬料・香料・染料(黄色)などに用い、歴史も古く平安初期には使用されていました。
・丁字の実を油に入れると貨財を得るといわれたそうです。また、防臭・防湿に用いたため、厄除けにもなりました(におい袋)。
53.蔦文(つたもん)
・蔦は他物にからみつき、離れないで繁茂するので、客商売の縁起物として用いられました。江戸時代に芸妓・遊女が特に好んだようです。
54.槌文(つちもん)
・打出の小槌が有名で槌はものを打ち込む道具なので適を打つとして好まれました。また、物事に打ち込むという意味にもなり吉祥柄になっています。
・槌車文は、揚水車を原形とし形が槌に似ていたのでその名がつきました。能や狂言装束に多く使われ、六本蝠と八本蝠があります。
55.鍔文(つばもん)
・刀剣の鍔を文様化したもの。鍔は身を守るものとし、その為縁起もの・護身柄として用いました。また、鍔の中の柄には、エネルギーの大きい図柄が多いようです。
56.椿文(つばきもん)
・椿は首が落ちるということで、武家には好まれなかったので、家紋には少なかったようです。しかし、椿の歴史は古く「万葉集」などにも詠まれ、鎌倉彫りなどにも多く使われました。また、椿の葉を焼いて作った灰を山灰と呼び、紫染に用いました。

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