文様 2.吉祥文(きっしょうもん)

中国古代より言い伝えられてきた文様です。色々な理由により、長い歴史の中にはぐくまれてきました。
 ・五行説や易に基づくもの
 ・宗教上の信仰に基づくもの
 ・視覚的感情に基づくもの
 ・歴史的伝説に基づくもの
 ・発音などによる語呂合わせに基づくもの
 ・隠語、謎語に基づくもの

などが考えられ、動物や植物、文字文など多数多様にあります。代表的なものに鶴亀、鳳凰、龍、松竹梅、四君子、牡丹、宝尽しなどがあります。
日本の紋章は、吉祥の意義から、採用されたものが多いようです。文様の中でも一番エネルギーがあると考えられ、めでたいしるし、魔除け、厄除け、などに使用されたのは当然のことと思われます。又、中国、朝鮮より渡来し長い年月をかけ、日本に根づき独自の文様として今日も尚、多くの人々に好まれております。

◎有職文(ゆうそくもん)

平安時代、公家社会のもつ独自の文化の中で育まれた文様を有職文という。

中国
唐時代の朝廷の文様に大いに影響され、唐朝の文様を単純化したものだといわれています。代表的なものに、小葵文、唐草文、幸菱文、立涌文、亀甲文、七宝文、雲鶴文など数多くあります。身近で親しみやすいものが多くあります。又、空想的なもの、異国的なものはありません。現在では、日本文様の基調であり、平安貴族の美的感覚がうかがえます。

  • 立涌文
    雲気(水蒸気)が立ち上がるさまを表現します。天に自分の気が登る意味にとれます。
  • 幸菱文
    菱を散らしますが、菱形と菱形との先どうしが合うもので、転じて幸菱文といいます。おめでたい柄です。
  • 小葵文
    銭葵の文様化。古くから、京都上賀茂神社の神紋であった。賀茂信仰に由来し、徳川家の家紋となった。以降、江戸時代使用禁止となりその為一般化しなかった。

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