型友禅には、捺染法の違いによって型紙友禅と機械捺染(ス クリーン式、ローラー式)がある。ここでは、型紙友禅について解説する。
型紙友禅は写し友禅とも呼ばれ、型紙を用いて染料糊(友禅糊に染料と助剤を混合したもの)で直接捺染するか、または防染する方法である。同じ型紙を用いる捺染法には、防染を主とした小紋染め、さらに、染料液ににじみ止めのための足糊(例えばトラガントゴムなど)を加えて摺込用の刷毛で摺り込んで染める、摺込友禅がある。
摺込友禅は、染料をつけた丸刷毛の使い方に高度の技術を必要とする半面、非常に繊細な模様を染め上げることができる。
型染め友禅全体としてみた場合、そのほかに長板中形(樅材で作られた長板の表裏に中形用木綿生地を貼り伸ばし、その上から型紙を用いて防染糊を置く方法)や、注染(中形生地の巻いたものを左右に交互に伸ばしては折り畳みながら、その都度、型紙を当て防染糊の型つけをする方法)などの染色法があり、これらは浴衣を染める場合に用いられる。