浸染(しんぜん)は漬け染めともいい、生地全体を染液の中 に漬け込んで染める方法である。継続染法で、始めは淡色のものから染め、次々に濃色のものへと進む合理的な染法である。まず染色前に、地入れは熱湯・温湯・水などで20~30分漬けておき、生地をときどき動かす。次に染色は、手染め・ウインス染色機・ピン反染機等により行う。
〈ウインス染色機〉スレ・オレ等を出さない よう、ウインス染色機で生地を広げて染色する。生地の端と端をピン・伸子などで止めて環にし、速度を調整しながら、ねじれないように染めていく。
〈手染め・棒ぐり〉裏地に使われる八掛けや三丈物など、スレ・オレの生じにくい物を染色するとき、釜で浴比を少なくし、竹で作った棒状の物で生地を動かしながら染める方法。
色合わせは、染浴を70%ほどにしたてて染色を始め、徐々に温度を上げていく。染まり具合は色見本に照らして見る。2~3回、染料を追加し、85℃位で30~40分染色し、繊維の内部まで完全に浸透させる。染色後、充分に水洗したのち、酸繰り酢酸水に通す)をし、脱水・乾燥の工程へ。

[浸染の工程]



[浸染無地染め加工の工程]



(注)正絹小幅の工程である。綿、化合繊、広幅etc.


機械による浸染

手作業による浸染